防大かわら版
防大かわら版vol.170
掲示内容一覧
- 前期を振り返って
- 中期学生隊学生長としての決意、抱負
前期を振り返って
大西 学生
4月から第1大隊学生長を拝命し、前期を無事に終えることができました。前期は、大隊の1年間の雰囲気を決める極めて重要な時期であり、その任務に強い使命感を持って臨みました。
大隊のために何ができるかということを大隊のみんなに考えさせることは、私がただ指示をするだけでは成し得ないことであり、試行錯誤の毎日でした。自らが範を示し続け、大隊の舵を取ることは簡単ではありませんでした。しかしその経験を通じて、指導教官の方々からも折に触れて適切なご指導をいただき、困難に直面した際の対応力、約500名の組織を動かすためのコミュニケーション能力、そして何よりもリーダーとしての責任感を深く学ぶことができました。
大勢の学生を率いることは困難な課題の連続でしたが、私は常に前向きに取り組むことができました。それは、信頼できる同期の存在があったからです。彼らとは何度も議論を重ね、大隊をより良い方向へ導くための解決策を共に練りました。また、下級生は自らの役割を理解し、常に前向きな姿勢で臨んでくれました。彼らのひたむきな努力こそが大隊全体の原動力となり、私自身の大きな励みとなりました。
この経験を胸に、残された防衛大学校での毎日を有意義なものにしたいと思います。そして、将来幹部自衛官としての道を歩む上で最大限に活かしていきたいと考えています。


大沢 学生
前期第2大隊学生長として、令和7年度における第2大隊の年間方針を『年度最優秀大隊』、それに基づき前期の方針を『理想と現実』として運営しました。『理想と現実』は現在の自分の位置(現実)と1年後以上先のこうなりたいという自分(理想)の確立と距離を把握し、自己を高める礎とするという意味です。年度最優秀大隊となるためには、学生自身が自らを高めて年度通じて行われる各種競技会においてよい成果を収めなければならず、また服務規律違反が発生しないように努めなければなりません。
学生舎生活を運営する大隊学生長として、各種競技会の結果を直接左右させることはできませんが、大隊としての帰属意識や団結心の向上、規律を維持させることで年度優秀大隊獲得に貢献するように努めました。特にパレード訓練に関しては、私が第2大隊のパレード訓練責任者を兼務していたため、訓練の必要性を説くことで学生の訓練へのモチベーションを高めることに努めました。
その結果、前期においてはカッター競技会や隊歌コンクール、パレード競技会における熱量を上げることができ、競技会に参加しない者も大隊として戦っているという考えになるよう運営できました。
まだ年度最優秀大隊には遠いですが、最終的に達成できるような基盤が形成されたと感じています。これから行われる競技会においては全員で団結し高めあえる大隊になるように中期に申し送るとともにサポートしていきたいと思います。


植松 学生
前期を振り返ると、第3大隊学生長として指名を受けてから本日に至るまで、常に第3大隊と大隊の学生のことだけを考え続けた4ヶ月間でした。今年度が始まるにあたり、私は3大隊の通年運営方針として「3大隊のブランド化」を掲げました。この目指すところは大隊員一人ひとりに「3大隊員」というラベリングを行うことで、大隊への帰属意識を醸成し、競技会や学生舎生活における規律心及び団結心を養うことでした。特に1~3学年には、4学年から学んだことを生かして次年度以降のリーダーとなりうる人材に成長してほしいという強い思いがありました。その「3大隊のブランド化」の第一歩として、私は前期運営方針を「防大生としての誇りの醸成」として掲げました。この方針の意図は、大隊員である前に防大生であることを自覚させ、防衛大学校の学生として恥ずかしくない振る舞い・人間性を持ってほしいという思いでした。この通年運営方針・前期運営方針の実現に向けて、大隊本部員や中隊学生長、指導官の方々とも連携しながら様々な施策を実施し、大隊の規律心及び団結心を醸成して、学生舎生活では他大隊を圧倒する規律の高さを誇り、その結果各種競技会でも良好な成績を残すことができました。
また、大隊学生長として試行錯誤を繰り返す中で、沢山の学生と会話する機会がありました。学生舎生活の問題点や学生間のあるべき姿について、多くの大隊員と議論を重ねるにつれ、大隊員の「この大隊をより良いものとしたい」という学生舎生活に対する熱意と、「そのために自分がこのように大隊に貢献したい」という向上心の高さを感じました。本気で学生舎生活を良くしようと奮闘する学生をただ傍観するのではなく、その思いに感化されてフォロワーシップを発揮してくれる大隊員の存在を知ることができたことは自分にとって大きな成果だと感じています。
「3大隊のブランド化」はまだ道半ばです。年度最優秀大隊という形で大隊員の努力が報われるよう、中期・後期へ確実に申し次いでいきます。
最後に、大隊・中隊運営へ主体的に参画してくれた3、4学年や日々の学生舎生活に一生懸命な1、2学年、優秀な大隊本部員、中隊学生長及び勤務をサポートしてくださった指導官方に心より感謝して、前期の振り返りとします。ありがとうございました。


菊池 学生
この度、前期4大隊学生長の任を終えるにあたり、前期の振り返りを述べたいと思います。
私が勤務するうえで大きく意識したことは、4学年である70期の学生が中心となって指導体制が確立できるかということです。新年度の体制を盤石にするためには、4学年が最高学年としての役割を全うすることが何よりも重要であると考えました。そのため、日々の勤務の中で4学年が下級生に対して見本となる姿を背中で見せるよう呼びかけを徹底し、その結果、前期を通して積極的に動く4学年が増えたと実感することができました。
また、過去の勤務を通じて、大隊を動かす原動力そのものは、大隊に所属する学生一人一人の行動であると実感しました。そのため、今年度の4大隊の年間方針を「鷲風雷神」と掲げ、鷲のように力強く、風通しが良く、雷のように活気が伝播し、神のような崇高な存在になることを目標に前期の勤務に臨みました。その結果、各人が同じ目標に向かい努力するという基盤を作ることができたと思います。これを中期以降更に発展させ、よりよい4大隊となることを願うとともに私自身もその一員として尽力したいと思います。
最後に、この勤務期間を全うできたのは、他でもなく多くの方々の助けがあったからこそです。大隊首席指導教官をはじめとした、各指導教官、学生隊学生長ならびに他大隊学生長、そして、4大隊の同期や下級生に感謝を述べ、結びの言葉とさせていただきます。


中期学生隊学生長としての決意・抱負
内山 学生
令和7年度中期学生隊学生長を務める内山学生です。
このような貴重な機会を頂けたことに感謝するとともに、学生隊を率いる大役を担う重責に身が引き締まる思いです。
中期は、各種競技会や開校祭などの大きな行事が数多く実施されます。防衛大学校における行事は、単なる競争や発表の場ではありません。緻密な計画、戦略を立て、目標に向かってそれぞれの役割を果たすという面で、将来幹部自衛官となるべき者としての資質を涵養する絶好の機会となっています。
時代の潮流は激しく、安全保障環境は目まぐるしく変化し、科学技術の進歩はまさに日進月歩です。 そのような中でも我が国の安定した安全保障環境の創出に貢献するために、体力・気力・精神力を兼ね備えた人材となることが私たち学生には求められています。
この認識の下、中期の学生隊方針を「精強」としました。「精強」とは、体力や我慢強さなどの表面的な強さのみを意味するものではなく、逆境にあっても揺るがぬ強い精神力、仲間と協力して困難を克服するための団結力、さらに状況に即応し冷静に判断し得る知力を備えた、いわゆる内面的な強さを含む総合的な強さを指すものであります。
以上を踏まえ、学生隊学生長として、学生全員が「精強」の気概を持ち互いに信頼を寄せる、より良い学生隊を築けるよう努めていく所存です。

