防衛大学校National Defense Academy

防大かわら版

防大かわら版vol.162

防大かわら版

掲示内容一覧

  • 秋季定期訓練参加所感

秋季定期訓練参加所感

田澁 学生

私は、令和6年10月14日(月)から18日(金)の5日間、北富士演習場と校内訓練場で行われた秋季定期訓練に参加しました。初日は北富士演習場に移動しての宿営訓練で6人用天幕(テント)の展張と飯盒炊爨を行うとともに、訓練終了後は教官・助教が準備してくれたバーベキューをみんなで楽しみました。夜間は歩哨と呼ばれている宿営地を守る見張り番をする訓練があり、眠気と闘いながら、交代で周囲を警戒しました。翌日は本訓練で最も大変だと思っていた16kmの徒歩行進訓練がありましたが、地図を見ながら自分が今どこを歩いているのかを考えているとあっという間に歩ききることができ、同期たちも笑顔で歩いていて、つらい気持ちを感じることなく完歩することができました。北富士演習場での最後の地図判読訓練では最初は慣れない地図とコンパスに戸惑い、時間がかかりましたが仲間と協力し合うことで徐々に判読できるようになりました。
学校に戻ってからは射撃訓練と戦闘訓練があり、射撃は的に全く当たらず悔しさが残りましたが、最終日の厳しい戦闘訓練では大きな声を出し合い、互いを励まし合いながら最後まで取り組めました。
この秋季定期訓練を通して仲間(同期)の大切さを改めて実感し、自分のやる気次第で訓練も乗り越えていけることを実感しました。この経験を忘れず、これからも仲間と自分を信じて努力していきます。

片山 学生

私は、令和6年10月13日(日)から18日(金)の間、北富士演習場及び防衛大学校校内おいて秋季定期訓練に参加しました。行進、射撃、宿営など、主に陸上自衛隊の基礎的な訓練を行いました。
「行進」では、荷物を満載にした背嚢を背負った上、小銃を持ち、16㎞を歩きました。行進は16kmを完歩して終わりではなく、その後戦闘を行うことを考慮し、体力に余裕を持たせたり、怪我をしたりしないように気をつける必要がありました。私自身、校内で行った12km行軍にて水分が不足した経験から、水を多めに携行していました。しかし、校内の行軍時より涼しかったため、水分が背嚢の中で重しとなり、行進の負担となってしまいました。そのため、水分を変わりに持って貰うなどの同期の協力を得て、16km完歩することができました。このような反省から、次回の行軍では自身の経験のみでなく、気候や地域の特性に気をつけながら行進に望みたいと思います。
「宿営」では、天幕設営、飯盒炊爨、歩哨、動哨を行いました。どの科目も初めて行うものばかりでしたが助教の陸曹の支援の下、円滑に行うことができました。特に記憶に残っているのが動哨です。動哨とは、宿営地に敵が進入していないかを確認するため、巡回しながら警戒する事です。私は深夜2時に実施しましたが山中の夜は月明かりのみが頼りで、寒さと暗さに耐えながら行ったことが記憶に残っています。
また、飯盒炊爨では、各員飯盒を用いて米を調理しました。ガスとは異なり、火力が不安定な固形燃料を用いた炊飯は初めてでしたが、美味しい米を炊くことができ、良い経験となりました。
秋季定期訓練での活動は、今後の学生生活や任官後の任務に活かせるので、忘れることなく、自身の糧とする所存です。

明石 学生

私たち1学年共通要員は、秋季定期訓練で実施した実弾射撃や戦闘訓練、16㎞徒歩行進訓練、天幕を使用した宿営、地図判読等を通して、陸上自衛隊の魅力をたくさん発見することができました。
 特に実弾射撃については、夏季定期訓練での課題を克服できるように意識し、一発一発集中して行うことができましたが、射撃予習時における一連の動作について身に付けておく必要性を実感しました。
戦闘訓練では、ドーランを使用し、偽装した状態でほふく前進をしました。
 北富士演習場では、16㎞徒歩行進訓練や宿営を行いました。起伏の激しい道のりでしたが、校内訓練では味わえない景色の変化を感じながら、完歩することができました。宿営では、同期で声を掛け合いながら、天幕を張り、夜には野外炊飯をしました。野外炊飯で、同期と同じ火を囲んで食べたご飯はすごく美味しかったです。夜通し行った歩哨では、いつ現れるかわからない脅威に対する警戒を行いました。少しの変化も見逃さないように、二人一組で協力して行うことが大事だと感じました。
 地図判読では、コンパスを使用し、現在地及び目的地を特定する方法を学びました。悪天候により視界が悪化すると、目標を特定できず苦戦しました。また、人によってコンパスの読み取りに僅かに誤差が生じてしまうため、苦労することもありましたが、班員全員で協力して乗り越えることができました。
各種訓練を行うたびに、訓練担当指導教官からその目的等について確認をされ、特に、徒歩行進訓練のメリット・デメリット、偽装の目的等を自ら考えることで、私にとって大きな学びとなり、訓練の質が格段に上がったように感じました。
秋季定期訓練を通して、教官からの貴重な体験談や、同期間の協力、個人としての能力の向上等、得るものがたくさんありました。この経験は、今後の成長の糧になると思っています。これからの訓練に活かしていきます。

村松 学生

秋季定期訓練は1ヶ月間にわたって実施された夏季定期訓練に比して、5日間という遥かに短い期間で行われましたが、その5日間は夏季定期訓練と同じくらいかそれ以上に充実した時間になりました。
秋季定期訓練では夏季定期訓練で初めて経験した射撃訓練が再びありました。夏季定期訓練の射撃訓練では、同じ姿勢を維持できず得点が低かったのですが、今回はその反省を活かして維持しやすい姿勢で射撃に臨んだ結果、大幅に得点を上げることができました。
また、北富士演習場で3日間にわたって行われた訓練は私にとって貴重な経験となりました。同期と共に飯盒で米を炊き、天幕を設営し、その下で一夜を過ごすという一人では絶対にできないことを同期と行うことで、自衛隊の行動において仲間と協力することの大切さを再認識することができました。
秋季定期訓練の山場である16kmの行進訓練では、以前校内で行った12kmの行進訓練で背嚢というリュックサックのようなものを背負っていましたが、中の荷物の入れ方が悪く、すぐに肩が疲れてしまったという反省から、背嚢の重心が背中に近づくように荷物の入れ方を工夫したり、助教の方に教えていただいた背嚢を腰で保持する方法を実践したりすることで、校内での12kmの行進訓練より楽に完歩することができました。
将来、陸海空の要員に分かれ、それぞれ別々の訓練をすることになる同期たちとこのように同じ訓練をすることは、防衛大学校だからこそできる貴重な体験だったと感じます。この経験を今後の防大生活や部隊での職務に活かしていきたいと思います。