防大かわら版
防大かわら版vol159

掲示内容一覧
- 入校所感(入校3か月)
入校所感(入校3か月)
上月 学生
令和6年4月1日、春風駘蕩な風を感じながら、新しい生活に不安と希望を胸に抱え防衛大学校の門をくぐりました。4月5日、入校式にて宣誓を行い晴れて防大生になるとともに、朝夕の国旗掲揚・降下時に流れる国歌を初めて聴いた時に身の引き締まる思いがしたことを強く覚えています。
防衛大学校に来る前は、好きなことを好きな時間にする生活を送っていたため、入校当初は分刻みのスケジュールで時間厳守を求められる生活に圧倒される日々を送っていましたが、現在は入校から3ヶ月が経ち、少しずつできていなかったこともできるようになってくる等、成長を実感しています。
そして6月26日、初めて1年生が参加する競技会である隊歌コンクールが行われました。隊歌コンクールとは、1年生がそれぞれ所属する中隊ごとに課題曲と自由曲の2曲を歌う競技会です。
コンクール本番に向け、私の所属する中隊では早朝、自習時間の合間等を使い練習に励みました。最初は、音程、歌い方の強弱等にまとまりがなかったものの、先輩の隊歌スタッフの指導の下、1年生一人一人が指導されたことを意識するとともに、1年生同士でもそれぞれ意見を出し合うようになり、同期で一体感を持ち優勝目指して取り組んだ結果、全16コ中隊中、第3位を獲得することができました。
入校してからの各行事等を通じて、同期で協力することの大切さ、仲間で意見を出し合うことの大切さ、そして何よりも同期の大切さを感じることができました。3ヶ月という短い期間ですが、自律した生活を行うことで、確実に自分の成長を感じています。ここでしか得られない経験を大事にしながら、これからも仲間を大事に互いに切磋琢磨し、さらに成長していきたいと思います。


角田 学生
着校当日、おそらく一般大学へ入学する場合とは異なる緊張感で正門を通過し、受付を終えると、上級生の明るい笑顔に迎えられました。
あまりの笑顔に、この笑顔は今だけなのか、いつ鬼の形相に変わるのかと不安になりながら恐る恐る学生舎に向かいました。そこでは、新入生をマンツーマンでサポートしてくれる私の上対番の上級生が学生舎の案内及び説明をしてくれましたが、あまりの緊張に頭に入ってこなかったことを覚えています。
入校前に、防大は厳しいと聞いていましたが、海上自衛隊の部隊を経て入校した私にとっては、思っていたよりも自由であると感じました。
個人的には、部隊と防大では細かなルール等が異なっていたため、困惑することもありましたが、日常の講義や訓練は楽しく非常に興味深いです。しかし、高校で履修していない科目や理解の難しい科目もあるため、もっと勉強しておけば良かったと後悔することもありました。
また、学生舎生活はすべてが楽しいとは言えませんが、寝室で同期と話し合っている時間はかけがえのないひと時です。
これからの防大生活では、一つ一つの行動の意味を探索しそれを理解して、常に幹部候補生の卵であることを意識して過ごしていきます。


大隈 学生
4月1日、本科第72期学生はここ防衛大学校に着校しました。
大きな不安、期待、希望と私はそのときの気持ちを今でも鮮明に思い出すことができます。
着校してからは、これまでとは大きく異なる環境に身を置くこととなりました。靴磨きやアイロンがけ、起床動作等、初めて経験することが多く戸惑いの連続でしたが、上級生の親切、丁寧な教えもあり、徐々に生活に慣れることができました。
学科・訓練、学生舎生活、校友会活動の全てに全力を尽くしたこの3ヶ月は、人として、防大生として大きく成長できた期間でした。振り返るとあっという間に過ぎていったように感じますが、一日一日は非常に濃密で、充実した日々でした。
防衛大学校での生活では、自己を律するのはもちろんのこと、規律や時間を守ること、同期と協力することが非常に重要です。時間が限られている中で、妥協せず完璧を求め続けることは簡単ではなく、決して一人では今日まで過ごすことはできなかったと痛感しています。
また、なくてはならないのが「上対番」の存在です。「上対番」とは、1学年全学生に対し、2学年を中心にマンツーマンで、着校当初から教育やお世話をしてくれる上級生のことです。着校してからの3ヶ月間、防大生として生活するために必要な全てのことを教えてくれ、私にとって常に一番の味方でいてくれるのが上対番でした。上対番には感謝の思いが尽きません。防衛大学校で生活する上で、同期と上対番の存在は何よりかけがえのないものであると思います。
私には、まだまだ至らない点が多く、上級生からご指導いただくことや、同期に助けてもらうことも多くあります。教え導いてくださる上級生の方々、助け合える同期に感謝し、これからも精進していく所存です。
そして、来年は私も立派な上対番になれるよう、日々を大切に過ごしていきたいです


三井 学生
入校してすぐに、学生隊学生長より学生間指導について教育を受けました。近年のハラスメント防止に向けた対応に関して、良い時代になったと肯定的な意見もある一方で、防衛大学校として弛緩しているのではないか等の否定的な意見を持つ学生もいます。
しかし、私は強制されるよりも主体性と積極性をもって受け身にならず、自らを自らによって成長させなければならない今の時代は、以前よりも高度なことを求められていると考えます。
私は、本教育での「抑圧された教育を受けたものは、抑圧がなくなったときに機能しなくなる。」という言葉が深く印象に残りました。私達の時代は決して緩くなったのではないと考えます。より高みを目指すために、自ら考え、教えを乞い、行動を起こすことが求められているのです。
また、指導者側も以前よりもより高度なことを求められていると考えます。強制させて、抑圧して人を動かすことよりも、主体性を持たせて、積極的に動いてもらうことの方が格段に困難だと考えるからです。
私は、まだ1学年ですが、今後、上級生となった時のためにも、1学年の今何を感じ、どのように思うのか確実に記憶に留めておきたいです。そして、考えることを止めず、受け身になることなく、日々を大切にして勉学に励んでいきます。

