防衛大学校National Defense Academy

防大かわら版

防大かわら版vol.168

防大かわら版

掲示内容一覧

  • 入校所感(入校3か月)

入校所感(入校3か月)

山下 学生

 曇天に包まれた4月1日、私は不安と期待を抱きながら防衛大学校の正門をくぐりました。受付を済ませて学生舎に到着すると心の準備も出来ないまま、すぐに上対番(マンツーマンで学生生活全般について教えてくれる先輩)に部屋まで案内され、荷物の整理、着校報告、被服の受領と初日から忙殺された着校日でした。
 防大生活は覚えることが多く、慣れるまでは大変でしたが、3か月経った今では上級生の指導のおかげもあり生活に余裕も出来てきて、物事の優先順位を考え「時間をつくる」という能力が少し身についたのではと自分の成長を感じることが出来ました。
 防大生は三本柱と呼ばれる学科教育・訓練、学生舎生活、校友会(部活動)に全力で取り組むことで成長していきます。多忙ゆえに消灯時には疲れ切っている、それでも同期と助け合い乗り越えていく、そんな毎日を楽しんでいます。
 右も左もわからないまま始まった防大生活ですが、上級生の背中は大きく、かっこよく、目標にする存在も出来ました。教育訓練の積み上げや社会人としてのマナーの修得等、求められる防大生のあるべき姿への道のりは長いですが、幹部自衛官に必要な素養を育むべく1日1日を着実に過ごしていく所存です。

磯部 学生

 私は、陸上自衛隊高等工科学校を3月に卒業し、4月1日不安と緊張を胸に防衛大学校の門をくぐりました。この時、今までの勉強はこの日の為にあったのだと防衛大学校の生活へ期待を膨らませていました。
 着校した当初は今までと違った生活になかなか慣れることができませんでした。分単位で決められた学生舎での生活、上級生と下級生が共に過ごす居室、体力を練成する校友会と大きな環境の変化に戸惑い、次第に自分が防大に来た意味を見失い、他の進路に希望を見出したときもありました。しかし、今防大を続けられているのは、できないことに対して上級生から指導を受け是正するという過程を繰り返し、その中で「考える」ことによって自己の成長を感じられているからです。
 防大での生活は、自分のことに加えて周りの同期を助ける必要があります。考えて行動することをやめれば自分だけでなく、同期の行動にも悪影響を及ぼします。同期同士で協力し合うこと及び周りのことを考え続けることは将来幹部自衛官として国防の中枢を担う我々にとって、必要な資質の根幹となるものだと確信しています。
 1日1日が濃密なこの生活は早くも3か月が経過しようとしています。これからも自分が取る行動の中で思い通りにいかなかったり、ストレスや緊張に駆られることもあると思いますが、当初自分で決めた「幹部自衛官になる」という覚悟をもって、周りの同期や先輩と助け合い、「自主自律」「率先垂範」の意識で防大4年間を過ごしていきたいと思います。最後に防大入校前に部隊で沢山成長させていただいた分、これからは自分達がよりよい自衛隊の環境を創っていけるよう精進していきます。

清水 学生

 令和7年4月1日に着校してから早くも3か月が経過しました。以下、防大の三本柱である学科教育・訓練、学生舎生活、校友会活動(部活動)の3つの観点からこの期間を振り返ります。
 その中でもまずは学生舎生活です。入校当初は想像以上に規律ある生活に圧倒されるばかりでした。しかし、うまくいかなかったことを主体的に振り返るよう促してくださる上級生の指導や、同期との情報共有を通じて、最近では、少しずつではありますが、成長を感じることができるようになりました。さらに、互いに遠慮しがちだった同期とも本音で意見を言い合えるようになってからは、より結束が高まっているのを感じます。現在行われている隊歌コンクールに向けた練成の際にも、このことが生きており、中隊の34人全員が一丸となって取り組んでいます。
 次に学科教育・訓練においては、授業に真摯に取り組む同期から、また訓練においては、高等工科学校出身で正確な動作を実践する同期から多くの刺激を受けており、私自身もそれに劣らぬよう、一層努力を重ねていこうという意欲を掻き立てられています。定められたスケジュールをどれだけうまく活用できるかは自分次第なので、常に自分を律し続けることを心掛けています。
 校友会活動では、技術・精神の両面で優れた上級生が模範となり、また常に高い意識で練習に取り組む同期と共に、切磋琢磨しながら成長できる環境が整っています。こうした仲間に囲まれることで、縦と横の強いつながりを意識できるとともに、校友会時間が毎日の楽しみとなっています。
 また、ゴールデンウィークに実家に帰省した際には、家族や地元の友人と会い、将来幹部自衛官として、守りたい存在を改めて認識することができました。
 このように、毎日大変でありながらも、充実した日々を送っています。そこには家族、同期そして、入校当初から一番近くで支えて頂いている上対番(一年生をマンツーマンで親身になってサポートする上級生)の方の存在が必要不可欠です。今後も、自分を支えてくださる多くの方への感謝を決して忘れずに、精進していきます。

舘野 学生

 令和7年4月1日、咲き始めた桜も凍える寒い雨の降る中、今までにない緊張と不安を抱き、防衛大学校の正門をくぐりました。これまでとは180度異なる環境での生活に当初は戸惑いの連続でしたが、現在は大きなやりがいを感じています。それは新たなことに何度も挑戦し、失敗を重ね、やっとできた時に僅かにでも自らの成長を実感できるからです。
 多忙な日々の中、1人では乗り越えられないことも、また自分の失敗により周りに迷惑をかけることもたくさんあります。しかし、その度に大きな支えとなっているのは同じ中隊を始めとした73期の同期です。どんな時でも隣にいてくれる同期は心強く、かけがえのない存在です。
 そして上級生は私たちのことを思って、時に厳しくも正しい方向へ指導してくださっています。ある時「向上心を持ち、指導の本質を問い続ける。常に考え、節度のある行動をする。」ことの大切さを教えていただきました。指導の通りにするだけ、規則を守るだけでは受動的な人間になってしまうことを痛感し、自分自身の成長のためにも指導内容を様々な場面で活かせるよう柔軟に対応していくことを意識するようになりました。
 他人のことも自分のことのように考え行動してくれる同期や上級生の薫陶を受け、私も常に周りを見て、同期をはじめ誰かのために尽くせる人になりたいという思いがより一層強くなりました。1日1日が濃密であるためか、入校してからの3ヶ月間がこれまでよりも早く感じます。あっという間に過ぎていく時間に置いていかれないよう、明確な目標を立て、ここでしか得られない経験を大切にしながら感謝の気持ちを忘れず、慎始敬終を実行していきます。