防衛大学校National Defense Academy

防大かわら版

防大かわら版vol.167

防大かわら版

掲示内容一覧

  • 第一回月例観閲式を終えて
  • 校友会紹介(居合道部、宇宙システム技術研究同好会)

第一回月例観閲式を終えて

大沢 学生

 第70期2大隊パレード責任者の大沢学生です。
パレード責任者とは、年間通して行われる第2種パレード訓練(課業行進を活用して行う行進訓練)と月例観閲式における行進の練成について企画及び指導等を行う大隊の代表のことです。
 今年度の2大隊のパレード方針は「精強」です。軍隊のパレードとは他の部隊又は他の国に対し我が部隊の精強性を示すために、列員の歩調や手の振りなどが完璧にそろえて正々堂々と歩く姿を見せるものです。パレードが完璧な大隊こそ強い大隊と言えます。
そう認識しているからこそ責任者である私が率先して全力で取り組むべきという考えの下、練成を行っています。
しかしながら、5月に実施された今年度初の月例観閲式の結果は4個大隊中4位でした。そして他大隊に大きく差をつけられる結果となりました。現在、練成時間等は他大隊と差がなかったにも関わらず、大きな差が生じた原因を抽出・分析し、改善策を導出することで年間を通して1位になれる力をつけるべく、試行錯誤しています。その一つが基礎を作ることだと分析しました。基礎を作ることは地道な行いの繰り返しで目に見える成長が感じられないため、継続することが困難です。ただ、ここで踏ん張って基礎を固め、練度を高めた大隊こそがパレード優秀大隊となると信じ、ここでくじけることなく頑張っていきたいと思います。
最後に責任者を経験させていただいていること、実行しようとしていることに協力してくれる中隊責任者、スタッフ、大隊の学生に感謝し今後も2大隊学生で一丸となってパレードに取り組んでいきたいと思います。

居合道部「居合とは」

生井 学生

 居合道とは、日本刀を用いて、刀を鞘に納めた状態から仮想の敵を想定し、抜刀し、相手を切り、納刀するまでの一連の所作を稽古する武道です。居合道部で防大かわら版に寄稿する機会を頂いたため、未だ途上の身ではありますが、居合道について書かせていただきたいと思います。
私が居合道を始めたのは防大に入校してからです。もともと武道に興味があり、大学から初めてみようと思っていました。居合道部の見学に行った際、部員全員が大学で新しく始めた初心者と聞き一種の親近感が湧きました。部の上級生が業を展示してくれた際、厳かな雰囲気の中、洗練された流れるような、しかし力強い所作に目を奪われました。見学が終わった後もその光景が心から離れず、居合道部への入部を決意しました。
防衛大学校の居合道部は形を重視しますが、試し切りは行いません。動画で見るような、刀で派手に藁束を切るような居合をイメージしていると地味に見えるかもしれません。しかし、形一つとっても様々な想定があり、正確に行えるようになるには長い修練が必要になります。毎日稽古に励み、それを何か月も続け、ふとしたときに以前よりも上達したことに気づく。その瞬間に感じる達成感が居合道の魅力の一つだと思います。
居合道にも試合はありますが、剣道のようにお互いが向き合い、打ち合うのではなく審判に技を披露し、礼儀正しさ、技の正確性、心構えを競います。このような試合形式は、居合道が単に強くなるだけではなく、修練を通して礼儀作法や精神的な強さを養い、人格形成を目指す武道であることが背景にあります。また居合道は日本の伝統文化としての側面もあり、それを継承できるのも魅力の一つです。
 本文を読んで少しでも居合道について興味を持って頂ければ幸いです。最後に、普段より指導してくださる師範、顧問の方々のご尽力に深く感謝し、
結びとさせていただきます。

宇宙システム技術研究同好会「積極自主」

川畑 学生

 こんにちは、宇宙システム技術研究同好会(愛称ぶっ飛び組)専属の川畑学生です。ぶっ飛び組は令和7年新設されたばかりの同好会です。現在は9月に行われるCansat(缶サット)の打ち上げ成功に向けて鋭意活動しています。
Cansatとは、350ml缶サイズ、もしくはその3倍程度のOpenclassと呼ばれるサイズの模擬人工衛星のことです。マイコンや通信機、各種センサを搭載した機体本体は、アマチュアロケットや気球等で上空までもっていった後大気中に放出、パラシュートで地上まで降下させ、ゴールを目指すまでの過程で様々なミッションを遂行します。パラシュートやタイヤの設計、自立して動かすためのプログラミング及び基盤作り、確実な通信環境の構築など、何もかもが新しいことばかりの挑戦です。
訓練や課業の合間にどれだけ時間を有効に使うか、私たちのチームは常に新しいものを作り出すことに没頭しています。
新設されたばかりということもあり活動は常に手探りです。だからこそ、メンバー全員が積極的に自分の時間を供して課題解決に向かって動いています。得意分野や手先の器用さ、情報収集など、自分のちょっとした知識と仲間のとんでもない知識を共有して悩んで解決して、自分の知らないことを知ること、新しいことを学ぶ、とても楽しく充実した時間です。
最終的なゴールは宇宙まで衛星を打ち上げ、データの送受信を行うことです。この活動で得る知識や経験、仲間や過ごした時間は何にも代えがたいものだと思っています。私は卒業まで全力でぶっ飛び組として活動していきます。
最後に本同好会、衛星開発という機会を設けてくださった皆様にお礼を述べ、寄稿とさせていただきます。ありがとうございます。
この文章を読んで興味を持った方はぜひぶっ飛び組の部室にお越しください。指導してくださる先生方、チームのみんな、今後ともよろしくお願いいたします。