広報
防大かわら版vol.164

掲示内容一覧
- 後期学生隊学生長としての決意、抱負等
- 中期を振り返って
- 冬期定期訓練(3F・3A・3N)参加所感
- 学生シンポジウムを終えて
- 入校へのアドバイス
後期学生隊学生長としての決意、抱負等
城河内 学生
今年度は、前期・中期を通して防衛大学校の体制が大きく変わりました。前期・中期の学生隊学生長を中心として、ハラスメント撲滅への取組や既存のルールを見直す機会もありました。それに伴い学生間で混乱や意見の対立も生起しましたが、長期勤務学生の熱意及び全学生の理解、そして協力のおかげで防衛大学校は良い方向へと歩んでいます。後期でも自分の在るべき姿・理想を掲げ、そこに向けて努力を惜しまず皆で精進していこうという想いから、後期の勤務方針を「高みへ」としました。
更なる高みへと成長するには何が必要なのでしょうか。私は「主体性を持つ」ことだと考えます。主体的な行動は、自分で目標を設定し、その目標を達成するために責任をもって行動するということです。つまり、目的意識を持って自分と戦うということです。この先我々は、自分で何かを決める機会に必ず直面します。そしてそれは、他人の命や安全がかかっているものもあるでしょう。正解の無いものもあるでしょう。そのような決断には、目的を見失わない洞察力と強い心が不可欠だと考えます。後期は短いですが、少しでもこれらの力を養うことができれば良いと思います。
「終わりよければすべてよし」という言葉がありますが、来たる卒業式の日、卒業生には最高の防大生活だったと、在校生には実りある1年だったと感じさせられるよう尽力する所存です。


中期を振り返って
山口 学生
私は、中期第1大隊学生長として「愛」を勤務方針として掲げていました。
今年度が始まる前、前・中・後期の大隊学生長予定者の学生を中心に第1大隊の年度方針について話し合い、強い1大隊の復活を目指して「年度最優秀大隊の獲得」と定め、目標達成のために大隊を運営していくことを決めました。
中期は、開校祭をはじめ行事が最も多く、水泳、棒倒し、演劇、パレード、体力、英語といった競技会があり、年度最優秀大隊を獲得するために重要な期間です。学業・訓練がある中、各競技会に勝っていくためには、選手だけでなく、競技会スタッフ、応援といった直接競技に参加しない学生も一丸となって戦っていくことが重要であると考えました。そのため、まずは学生一人一人が自分のことを好きになり、同部屋の学生、小隊、中隊、ひいては大隊を好きになり、大隊一丸となれるよう愛ある大隊を目指して勤務しました。
大隊運営にあたり、時には行事責任者等と意見をぶつけ合うこともありましたが、大隊幕僚、中隊学生長をはじめとする長期勤務学生がそれぞれの役割を認識し支えてくれました。また、大隊の指導教官も学生のやりたいことを尊重しサポートしていただきました。この場を借りて感謝を述べたいと思います。
中期の成果としては、すべての競技で1位を獲得することは叶いませんでしたが、前年度より成績を向上させ、学生の団結を強め、年度最優秀大隊への望みをつなげることができました。
今年度も残り3か月となり、4年生も卒業が目の前に迫ってきましたが、有終の美を飾れるよう、後期大隊学生長をサポートし、残りの学生生活を実りあるものにしていきます。

中期を振り返って
内田 学生
私は、第2大隊員一人一人の良さを更に引き出したいという思いから、第2大隊学生長を希望しました。私は第2大隊で生活した3年間の中で、様々な上級生、同期、下級生から良い影響を受けてきました。中期は、水泳競技会、演劇祭、棒引き、棒倒し、開校祭といった大きなイベントが多く、一人一人が活躍する場面がたくさんあります。そこで、私が中期大隊学生長の任に就くにあたり、勤務目標を「心動」としました。第2大隊員には、一人一人が周りの人の心を動かしていこうと要望しました。
人にはそれぞれ得意、不得意があります。多くのイベントがある中期では、自分の得意分野で周りに良い影響を与えていこうと発信していきました。私と同部屋の同期が棒倒しの総長として毎晩夜遅くまで頑張る姿を見て、自分も頑張らないといけないなと心動かされました。誰かがやっているから、自分も頑張ろうという輪が第2大隊内に広がっていくのを感じました。開校祭では、来場者の皆さんに、お互いに感化されて成長しあっている集大成をお見せすることが出来たと考えます。一人では成し得ないことも、周りに仲間がいれば、頑張れるということを肌で感じた中期でした。この経験を生かして、任官後、どんなに困難なことがあっても仲間と協力して乗り越えていきたいです。


中期を振り返って
長坂 学生
中期第3大隊学生長として、学生隊で最強かつ最高な第3大隊を作り上げるために、中期の大隊方針を「団結と規律」としました。これには、学生隊一仲が良く、最も規律が維持され、そんな自分達が第3大隊員であることに誇りとプライドを持って欲しいという意図がありました。中期4カ月の勤務を終えた今、私は第3大隊が誇らしく、かっこよく、学生隊一の大隊であると断言することができます。
今年度の防衛大学校は、大きな変化の渦中にあり、我々学生の力量が試されてきました。パワーハラスメントの撲滅と新たな指導体制の確立、学生の真の自主自律の追求、防大生としての更なる自覚の醸成など、我々に必要とされる変化は多岐にわたりました。その変化に対応すべく前期の大隊学生長を中心に作られた基盤を元に、中期の特性である数多くの競技会や開校祭などの各種イベント等も活用しながら、能動的に変化を受け入れ、団結と規律の2つの点においても高みを目指し、試行錯誤を繰り返してきました。
方針として掲げた「団結」と「規律」は、必ずしも同時に達成されるものではありません。人の組織である自衛隊においては、全ての根底に団結が、言い換えれば「仲間のために」という意識があると考え、まずは大隊員が互いに興味を持ち仲を深め、互いに律し合い、そんな自分たちを誇りに思えるような環境づくりに注力しました。水泳、演劇祭、棒倒し、棒引き等の各種競技会や、初の試みである中隊対抗のレクリエーション、大隊内新聞の発行等を通じて団結面にアプローチをしつつ、各長期勤務学生や週番学生を最大限活用し、末端まで行き届く指導監督体制を目指してきました。結果、第3大隊が好きだという声が増え、また時間厳守や服務態度、生活環境の美化や感染対策への意識などが向上し、規律と団結の両面で他大隊を圧倒していました。中期の最後に実施したアンケートでは、約500名の大隊員の内、80~90%の学生が第3大隊は素晴らしい大隊であると回答をしてくれ、4カ月の努力がすべて報われたような気がしました。
組織において一人で何かを成し遂げることは不可能であると、校友会や勤務等の防大生活を通じて痛感しました。中期4カ月間の任務を完遂できたのは、言うまでもなく仲間の支えがあったからです。指導教官をはじめ、第3大隊員、特に幕僚や学生長付、各中隊学生長には感謝の念に堪えません。後期は、第3大隊全員がプライドを持って更なる高みを目指していけるよう、支える立場で全力を尽くす所存です。
最後に、4カ月間みんな本当にありがとう。これからも良き伝統は継承し、変化を恐れず素晴らしい第3大隊を作り上げていってくれ。


中期を振り返って
笠井 学生
防衛大学校はこの1年で大きく変わりつつあります。学生は、変化にも対応し、新しいことを日々模索しています。前期の大きな変化からバトンを受けた私は、中期の4ヶ月「主人公」という大隊方針を掲げ、将来の幹部自衛官になる者として、人の上ではなく前に立つ、皆で同じ方向を向くという2つの目標を第4大隊の学生が達成すべく勤務してきました。学生舎には、1~4学年およそ450名が1つの隊舎で自主自律に努め、生活しています。上下級生隔たりなく、人の上に立つよりも前に立ってリーダーシップを発揮できるような意識付けを行いました。また、中期は水泳競技会、開校祭、定期試験等、多くの行事がありました。私は、個性あふれる4大隊の学生一人ひとりが同じ方向を向き強い組織を作るべく様々な取り組みを行いました。
模索した中期、第4大隊の学生全員が日々努力している姿に私自身奮い立たせられました。時にはうまくいかないことも、一緒に励まし合える同期の存在は本当に大切で、感謝しきれない気持ちで一杯です。
最後に、この貴重な大隊学生長という役職に就けた機会は一生忘れない経験となりました。この経験を将来に活かせるよう日々努力していきます。


冬期定期訓練(3F)参加所感
清水 学生
「余は常に諸子の先頭にあり」
この言葉は、硫黄島守備に当たった小笠原兵団長、栗林忠道中将の言葉です。私は、防衛大学校3学年時の主要な訓練の一つである冬季定期訓練の硫黄島研修において訓練班長を務めました。私は小学生時にクリントイーストウッド作の「硫黄島からの手紙」を初めて視聴しました。同姓の人物が登場していたことから硫黄島守備にあたった将兵に感情移入し、そこから次第にこの戦いに興味を持つようになり、実際に硫黄島に赴きたいと思いました。これは、私が防衛大学校に入校しようと思ったきっかけの一つでもあります。
校内での事前教育にて防衛学教育学群や訓練担当の教官による硫黄島に関する教育があり、硫黄島の地形、戦闘の様相等に関する基礎知識を学ぶとともに、日本の将兵がどんな思いで戦ったのかに思いを巡らし、研修への意欲を高めました。研修当日が近づくにつれ、先人の方々が祖国のために戦い、散っていった場所に行くことを想像すると、身の引き締まる思いでした。当日は、海上自衛隊硫黄島航空基地隊等の支援のもと、当時の壕や史跡、慰霊碑などを研修し、献水や黙とうを実施しました。
今回、硫黄島研修を通して様々な知識を得ることができました。しかしながらそれ以上に栗林中将をはじめとする先人の方々が、「日本」を守るために、戦い、そして散っていったことを現地に赴き、肌で実感しました。平和を願う思いは、今を生きる我々も同じであり「平和な日本」を我々自衛隊がどう守っていくのかを改めて考えるきっかけになりました。
「私は常に諸官の先頭にたつ」この思いを胸に残りの防大生活、卒業後の自衛官生活において努力を続けていきたいと思います。

冬季定期訓練(3A)参加所感
山室 学生
私は第3学年冬季定期訓練において、校内における各種訓練及び硫黄島研修に参加しました。校内訓練で最も印象に残った訓練は戦闘訓練です。今回の戦闘訓練は空包を使ったものであり、途中で負傷した状況を付与されるものでした。私が戦闘時の状況付与で負傷した際、「静脈性の出血がある」という状況を付与され、救急包帯を使用しようとしました。しかし、指導教官に「本当に使うのか?」と聞かれました。この時の選択としては「止血せず戦闘に復帰又は安全な地域への移動」が正しい選択でした。静脈性出血は、早急に死に至ることはまれであるため、早急に当面の敵を撃破又は戦闘地域からの移動を優先し、じ後、安全な地域等で負傷部位の止血処置をすべきだからです。戦闘訓練を通じ、いかなる状況にも柔軟に対応すべきであると実感しました。
次に、硫黄島研修についてです。硫黄島に到着して飛行機から降りたとき、12月であるにも関わらず長袖で暑いぐらいの気温でした。加えて、私達と同じぐらいの年齢の将兵が戦い抜いた島に立っていることを実感しました。
硫黄島研修では兵団司令部壕研修、海軍司令部壕研修及び天山慰霊碑献水などを行いました。兵団司令部壕は硫黄島で指揮を執った栗林中将が執務をした壕で、内部は気温40度に達するという非常に過酷な環境であり、ここで1ヶ月間戦ったことに驚きを隠せませんでした。兵団司令壕で最も印象に残ったことは、「硫黄島の(日本軍の)人々は家族や本国の幸せを祈って、戦った。」という説明であり、私は真の軍人たる者は自分の幸せよりも他人の幸せを祈れる人なのではないかと感じました。
硫黄島の研修を通して、1か月にわたり極限の過酷な環境下において指揮をとった将
校の統率力と、それに応えた兵士に敬意の念を感じました。今の1日は硫黄島での彼らが生きたいと思った1日であり、先人が将来の私達の平和を祈って戦って得た1日でもあることを実感しました。
現在、日本を取り巻く安全保障環境は一層厳しくなり、自衛隊に対する期待も高まっています。「汝平和を欲さば、戦争に備えよ」という古代ローマの警句でもあるように、いつ起こるか分からない有事のために日々の修練に励んでいきたいと思います。
冬季定期訓練(3N)参加所感
藤原 学生
令和6年12月9日(月)から13日(金)の5日間の日程で冬季定期訓練が実施されました。全要員共通の硫黄島研修に加え、私たち3学年海上要員は海上自衛隊第2術科学校研修、地文航法等の座学、NAT(NAvigation Trainer:航海術科訓練装置)での実習などを行いました。
硫黄島研修においては、飛行機から降り立つとすぐに、鼻を刺激する硫化水素の臭い、12月とは思えない温暖な気候、見渡す限りの広大な海に、本土とは隔絶された過酷な地であることを思い知らされました。硫黄島での滞在は約4時間半と短いながらも、各戦跡や壕を周り、命を懸けて戦った先人の方々に思いを馳せるには十分な経験ができました。
硫黄島で最も印象に残っているのは、兵団司令部壕です。壕の内部はまさに天然のサウナで、数十分の滞在でも汗が噴き出してきました。明かりを消し、最終攻撃前の決別電報の朗読を聞いたときは死を覚悟して最後の戦いに挑んだ指揮官、兵士への尊敬と感謝の念で自然と背筋が伸びました。
第2術科学校では、艦艇の心臓部である機関の概要、学校の歴史などについて学びました。各種エンジンの実物及びカットモデルを用いた説明や、発電機の操作体験、旧海軍からの貴重な資料の閲覧は、座学で学んだ知識と相まって、深い理解に繋がりました。
残りの学生生活も同期や上下級生と切磋琢磨し、学び合いながらより良い幹部自衛官を目指す所存です。


学生シンポジウムを終えて
相原 学生
12月14日土曜日、防衛大学校において第22回学生シンポジウムを開催した。学生シンポジウムとは、例年12月に他大学の学生を招聘して安全保障や国際情勢に関する議論を行い、相互理解や信頼関係の構築を図ることを目的とした学生会議である。第22回目となる今年は昨今の日本を含む国際安全保障環境を鑑み、『同盟と協力』という統一テーマのもと、核共有、中東秩序、台湾有事、新テクノロジーの4つの分科会を設け、各所で熱い議論を交わした。東京大学、神戸大学、慶應義塾大学、早稲田大学、拓殖大学などに加え、大学院生や防大OBにも参加を賜った。分科会では多様な視点から深い討論を行い、休憩時間や終了後の親睦会では、笑顔いっぱいで話に花を咲かせる参加者たちを見て、開催までの諸々の努力が報われた気がした。防大生はあまり他大学の学生と交流する機会がないため、今回のシンポジウムでは多くの学生が様々な人と触れ合い、一般大学の学生の視点を知ることで自分自身の見識を広げる良いきっかけになったのではないかと感じる。防大、一般大双方の参加者から「非常に有意義だった、参加してよかった」との声を頂くたびに今年も無事に開催できたことへの安堵を覚えた。
改めて、今回の学生シンポジウム開催にご協力いただいた防衛学の浦上教官や国際関係学科の伊藤教官、そして実行委員会の皆に感謝を申し上げたい。1つのイベントを企画し調整、実行することの大変さややりがいを身をもって感じ、私自身成長させてもらえたと思う。参加者には、この機会を通して得られた刺激や学び、そして友人を大切に、今後の活躍の資としてもらえたら主催者冥利に尽きる思いだ。


入校へのアドバイス
望田 学生
この度、防衛大学校に合格されたこと、心からお喜び申し上げます。入校へ向けた準備を進めている折、親元を離れての集団生活、郷里を離れて一人この小原台の地へ向かうこと、期待と不安に揺られる時期かとお察しします。
「自分は防衛大学校でやっていけるだろうか」そんな不安を抱いている人も少なくはないと思います。そういう方に伝えたいのは、防大の生活において、過去の経験はあまり関係ないということです。私自身、中学高校と運動部に所属していたわけでもなく、学級の中心にいるような学生でもありませんでした。防大には、たくさんの人がいます。見上げるように優秀な人もいれば、自分と同じような人もたくさんいます。出身も経験もまるで違う人々が、同じ国防の志を持って集まっているのがこの防大です。
ここではかけがえのない出会いがあります。防大での生活は楽なことばかりではないでしょう。辛いこともあります。しかし、苦楽を共にする仲間たちが、絶対にあなたのことを助けてくれます。同期だけでなく上対番(1対1で世話をしてくれる上級生)や、同部屋の上級生が親身になって手を差し伸べてくれます。私も数えきれないほどたくさんの人に助けられながら今日まで過ごしてきました。一人ならとうの昔に逃げ出していたでしょう。助けられた分、自分も恩を返すために仲間を助けようという気持ちも芽生え、心身ともに成長を感じています。
防大には多くの競技会や行事があります。そのすべてで、本気で全員一丸となって取り組みます。その過程で深い絆が生まれます。そうした絆は、防大での生活の間だけではなく、一生続くものだと思います。
不安も多いでしょうが、あなたを助けてくれる人は必ずいます。勇気ある一歩を踏み出してください。あなたと防大で出会えることを心待ちにしています。


入校へのアドバイス
德田 学生
この度の防衛大学校合格を心からお祝い申し上げます。防衛大学校への入校は、人生の中でも重要な一歩であり、国防への貢献を志す高潔な決意の表れです。この選択には、強い使命感と揺るぎない覚悟が込められていることと思います。しかし、これから待ち受ける数々の挑戦において、完璧を求めすぎる必要はありません。失敗や挫折もまた、成長の糧であり、あなたをさらに強くするための一部なのです。
学問に取り組む際には、「この知識が自分や社会にどのように役立つか」を考えながら学びを深めてください。それが、理解を深めるだけでなく、実践力を育てる助けとなります。また、訓練では、体力だけでなく精神力を鍛え、限界に挑むことで得られる達成感が大きな自信となります。自分の弱さや困難に向き合うことを恐れず、一歩ずつ成長を重ねてください。
仲間とのつながりも極めて重要です。共に困難を乗り越える中で築かれる絆は、人生においてかけがえのないものとなります。意見の相違や葛藤も、互いを理解し、視野を広げるための貴重な機会です。仲間と共に協力し、集団としての力を引き出すスキルを磨いてください。
最後に、未来への責任感を持ちながらも、目の前の一日一日を大切にしてください。「成功ノ秘訣ハ常ニ平素ノ心掛ニ在リ」と東郷平八郎元帥が説かれたように、小さな努力の積み重ねが、大きな成果へとつながります。自分の可能性を信じ、歩みを止めずに進んでいってください。あなたの挑戦が、これからの日本の安全と平和を支える一助となることを心より願っています。


入校者へのアドバイス
川原 学生
73期の皆さん、防衛大学校合格おめでとうございます。早く新しい環境に飛び込みたいと思っている方や、一方で緊張と不安が大きいと感じている方もいると思います。そこで、私が防衛大学校の生活を通じて感じたことを、「入校へのアドバイス」として3点お伝えします。少しでもお役に立てれば幸いです。
1つ目は、「素直であれ」ということです。入校当初は慣れない生活で戸惑うことがあると思います。上級生や同期の学生から教えてもらったことは、例え自分が納得できなくとも、一度はやってみると新しい気づきが得られるかもしれません。今後、幹部自衛官になったとしてもこの素直さは大切だと私は考えています。
2つ目は、「考えて行動する」ということです。防衛大学校に入校してからは、洗濯や清掃など、自分のことは自分でしなければなりません。言われてやるよりも、自分で次は何をしたほうが良いのかを考えることは、充実した生活を送ることに繋がります。例えば、先にやるべきことを終わらせておけば、まだできていない同期の学生を助けることが可能となり、その空き時間を使って勉強や体力練成することができます。私は時間の使い方や防衛大学校における生活を自分なりに考えて工夫することは、更なる成長へと繋げてくれると考えています。
3つ目は「周りの人を大切にする」ということです。私は入校後、想像を超える大変な生活の中で数え切れないほど多くの人に助けてもらいました。いつも近くで支えてくれる同期の学生、時に優しく、時に厳しく、日々下級生を見守ってくださる上級生、そして将来のことをはじめ様々な相談を聞き、学生に寄り添い導いてくださる指導官など、人と関わりが途絶えない防衛大学校の生活の中で、これほど周りの人への感謝の気持ちを感じたことは今までありませんでした。
最後に、いつも陰で支えてくれている家族には、是非とも入校するまでに感謝の気持ちを示してください。4月から元気な皆さんと共に過ごす日々を心待ちにしております。
入校へのアドバイス
藤川 学生
防衛大学校の入学試験に合格された皆様、合格おめでとうございます。73期入校予定者の皆様は合格に安堵したと同時に入校に対して不安感を抱かれていると思います。私も1年前のこの時期は入校への期待と同時に大きな不安を抱いていました。そのような私ですが1年間を乗り越えて今も日々精進しています。
ここで私が防衛大学校に来てよかったなという点を2点紹介いたします。
1点目が貴重な体験をさせてもらえるという点です。特に1学年は陸海空の要員に分かれていないため3自衛隊全てを研修することになります。自衛隊の中であってもこのように3自衛隊を見て学べる立場というのはあまりなく、防衛大学校の学生がそのうちの一つです。例えば富士総合火力演習や潜水艦の研修といったその分野に進んだ人しか見られないものを見学しました。
2点目は仲間との絆です。私が防衛大学校で1年を過ごしてきて1人では達成できないことに数多く直面しましたが仲間がいたから私は困難を乗り越えてくることができました。夏季定期訓練で泳ぎの苦手な私を助けてくれた同期、ホームシックの時に一緒に悩んでくれた同期、時に厳しく時に優しく導いてくださった上級生、共にこの防衛大で学ぶ仲間がいたからこそ私はこの1年を乗り越え成長できたのだと思います。
私も1年前のこの時期は不安で別の国立大学に行こうかとも悩んだことがありました。しかし恐れずに防衛大学校へ来たことでここでしか得ることのできない多くのものを得ました。皆さんと共に学べることを楽しみにしています。

